光回線の乗り換えを考えているけど、また工事をするのはお金もかかるし面倒くさい…と思っていませんか?
乗り換えは、確かに工事が必要な場合もありますが、実は工事不要で乗り換えることもできます。
この記事では、乗り換え方法の違いや費用、さらに具体的な手続き方法について解説していきます。
光回線契約の更新時期は、よりお得なサービスに切り替える絶好のチャンスです。
光回線では、この数年間で新しいサービスやお得なプランが登場しており、以前よりも速いプランや、コスパの良いプロバイダーが見つかる可能性があります。
乗り換えとは
光回線の乗り換えとは、インターネットサービスを他社のものに切り替えることです。
乗り換えることによって、通信速度や料金の改善につながります。

乗り換えのメリット・デメリット
乗り換えをすることで、通信速度や料金の改善につながりますが、手続きの手間や違約金が発生することもあります。
ここでは乗り換えのメリットとデメリットについて説明します。
メリット

- コストが削減できる
月額料金の安い事業者に乗り換えることで、通信コストが削減されます。更に光回線とスマホの契約を同じ事業者にすれば、セット割のサービスも受けることができてお得です。
- 特典やキャンペーンが豊富
光回線の事業者は、より多くの契約者を獲得するため、特典やキャンペーンに力を入れています。
最も充実しているのは「新規」での乗り換えですが、後で説明する「事業者変更」や「転用」といった乗り換え方法でもお得な特典やキャンペーンがあります。
デメリット

- 解約違約金が発生することがある
契約期間中に乗り換えた場合、解約違約金が発生します。ただし、更新月に解約すれば解約違約金は発生しません。
解約違約金の金額は契約時期によって違います
2022年6月30日までに契約した場合…10,000~20,000円
2022年7月1日以降に契約した場合…月額基本料1カ月分(5,000円程度)

解約違約金を負担してくれるキャンペーンを行っているプロバイダーもあります
- 工事費の残債は一括払い
現在の契約で工事費の残債が残っている状態で乗り換えると、その残債は解約時に一括払いとなります。
- メール及びオプションサービスの停止
現在の契約を解約するとサービス自体が終了するため、使っているメールアドレスやオプションサービスが利用できなくなることがあります。
乗り換え方は4つある
乗り換え方は4つあり、乗り換え先の回線タイプによって異なります。
ここでは、それぞれの回線タイプと4つの乗り換え方について、メリットやデメリット、費用や具体的な手順まで詳しく説明します。

4つの回線タイプとは?
フレッツ系
NTTが提供する全国規模の光回線サービスです。プロバイダーを自由に選ぶこともできます。
光コラボ系
ドコモ光やソフトバンク光などのプロバイダーが、フレッツ光の設備を活用して独自に回線を提供するサービスです。スマホとのセット割引があります。
独自系
フレッツ光の設備ではなく、独自の通信設備を持つ事業者の回線です。対応エリアは限定的ですが、高速通信が期待できます。
電力系
各地の電力会社が提供する光回線サービスです。地域密着型で、エリアによっては特に安定したサービスが得られます。
事業者変更とは
事業者変更とは、現在の光コラボから別の光コラボに乗り換えることです。工事が不要で、インターネットが使えない期間もありません。


既存の設備を使い、契約先(プロバイダー)だけを変える方法です。ただし、通信速度を高速なものに変更する場合(1Gbpsから10Gbpsへ)等は、別途工事が必要です
事業者変更のメリット
- 工事が不要
事業者間の変更は、同じNTTフレッツ光の回線設備を利用しているため、新たな開設工事は必要ありません。
- インターネットの回線停止期間がない
旧事業者のサービス終了と、新しい事業者のサービス開始が重なるように調整されるので、インターネットが使えない期間がありません。
- 光電話の番号を引き継ぐことができる
同じ回線設備を使うので、契約情報の変更だけで番号を引き継ぐことができます。
- 通信コストを抑えることにつながる
新しい乗り換え先のキャンペーンやスマホのセット割引を利用することで、通信コストを抑えることが可能です。
事業者変更のデメリット
- 解約違約金が発生する場合がある
契約期間内に事業者変更を行うと、解約違約金が発生します。

2022年7月1日以降に契約した場合は、解約違約金は月額利用料金が上限となりました。それ以前の契約の場合は、解約違約金は1~2万円程度です
- 工事費残債は一括払いになる
旧事業者で分割払いしていた工事費の残債がある場合、一括払いで精算しなければなりません。
- 月額料金が二重支払となる場合がある
旧事業者の利用料金の解約月分と、新事業者の契約開始月分が重なった場合、一時的に月額料金が二重支払いとなります。
支払いが重複しないよう、旧事業者の締め日と新事業者の利用開始日を確認しましょう
事業者変更が向いているのはこんな人
- 月額料金を下げたい人
光コラボ系はプロバイダーの数が非常い多く、各社がキャッシュバックや月額割引のキャンペーンを実施しているので、コストを抑えやすくなります。
- 工事は避けたいが、月額料金やキャンペーンを見直したい人
光コラボ間の切り替えは、設備や回線はそのままでプロバイダーだけ変更するので、工事不要で切り替えも早いです。
事業者変更の費用
事業者変更で乗り換える場合の費用は、以下の通りです。
項目 | 内容 |
---|---|
事務手数料 | 3,300円(税込み) |
工事費 | なし |
解約違約金 | 更新月に解約すれば違約金はかかりませんが、それ以外の月に解約すると発生します。 なお、2022年7月1日以降の契約では、違約金は月額料金が上限とされています。 |
工事費残債 | 残債がある場合は一括返済 |
オプション費用 | 有料オプションを引き続き利用する場合はあり |
撤去費用 | なし |
事業者変更の手順

①現在の契約内容を確認する
まずは、現在契約しているプロバイダーのサービス内容や契約更新月をチェックしましょう。

契約更新月が近い場合、タイミングを合わせれば解約違約金を支払わずに済みます
②事業者変更承諾番号の取得
現在契約中の事業者に連絡して「事業者変更承諾番号」を取得します。この番号は新しい事業者への申し込み時に必要で、有効期間は取得日から15日間です。

有効期間は発行日を含めて15日間なので、取得後すぐに手続きを進めましょう
③新しいプロバイダーに申し込む
希望する新しいプロバイダーに、事業者変更承諾番号を提出して申し込みを行います。この際、新しいプランやオプションを選択します。
④契約が切り替わる
新しいプロバイダーが手続きを進め、申込者の希望日に切り替えを行います。

契約していたプロバイダーは、切り替え時に自動解約となります
Wi-Fiルーターなどの通信機器はそのまま使えるの?
光回線の事業者変更や転用の場合、基本的にはWi-Fiルーターやモデム・ONUはそのまま使えることが多いです。
ただし、新しい事業者で「速度の変更」や「IPv6対応オプション」を追加する場合、機器交換が必要になることがあります。
利用中の機器をそのまま使えるか不安な場合は、乗り換え先のプロバイダーに確認しましょう。
⑤ルーターの設定変更
接続IDやパスワードの変更にともない、ルーターの設定も変更します。
⑥利用開始
新しい回線の利用を開始します。以前の契約は自動的に解約されますが、念のため解約状況を確認しましょう。
解約後もログインできるの?
解約後もログインできるかどうかは、プロバイダーによって異なりますが、解約直後から一定期間はログインが可能です。
ただし、一定期間後には完全にアカウントが削除され、ログインもできなくなりますので、解約後に確認しておきたい情報(請求金額・解約日・返却先など)は、事前にスクリーンショットやPDFに保存しておきましょう。

利用明細の確認や、機器返却の案内を見るための猶予期間として残されていることが多いです
転用とは
フレッツ光から光コラボへ契約を切り替えることです。事業者変更と同様に、工事が不要でインターネットが使えない期間もありません。

光コラボからフレッツ光に乗り換える場合は、事業者変更となります
NTT西日本より
転用のメリット
- 通信コストを抑えることにつながる
光コラボ系はフレッツ光よりも料金が低い場合が多く、通信コストを抑えられる可能性があります。
- 問い合わせ窓口が一つになる
転用後は契約が一本化され、トラブル時の対応がより簡単になります。
- 工事が不要
既存のフレッツ光回線をそのまま利用するため、新しい工事は必要なく、手続きをスムーズに進められます。
- インターネットの回線停止期間がない
事業者変更と同じく、インターネットが使えない期間がありません。
- 光電話の番号を引き継ぐことができる
事業者変更と同じく、光電話の番号を引き継ぐことができます。
転用のデメリット
- メールアドレスやオプションサービスが使えなくなることがある
転用すると、現在使っているメールアドレスやセキュリティオプションが利用できなくなる可能性があります。
- プロバイダーは自動的に解約されない
転用の場合、事業者変更とは違ってプロバイダーは自動的に解約されません。

転用が向いているのはこんな人
- フレッツ光が高いと感じている人
フレッツ光は回線とプロバイダーが別契約のため、他の光回線に比べて料金が高くなっています。
- 請求を1本化したい人
請求が一つにまとまるため、支払いが楽になります。
転用の費用
転用で乗り換える場合の費用は、以下の通りです。

転用の費用は、事業者変更と同じです
項目 | 内容 |
---|---|
事務手数料 | 3,300円(税込み) |
工事費 | なし |
解約違約金 | 更新月に解約すれば違約金はかかりませんが、それ以外の月に解約すると発生します。 なお、2022年7月1日以降の契約では、違約金は月額料金が上限とされています。 |
工事費残債 | 残債がある場合は一括返済 |
オプション費用 | 有料オプションを引き続き利用する場合はあり |
撤去費用 | なし |
転用の手順

①現在のフレッツ光契約の確認
引き継ぎたいオプションサービスの有無や、契約更新月などを確認します。
②転用承諾番号の取得
フレッツ光の「転用承諾番号」をNTT東日本またはNTT西日本の公式サイトや電話で取得します。

有効期間は発行日を含めて15日間なので、取得後すぐに手続きを進めましょう
③光コラボ事業者に申し込む
取得した転用承諾番号を乗り換え先の光コラボ事業者に伝え、契約の申し込みを行います。
④契約が切り替わる
転用の手続きが完了すると、光コラボ事業者の回線に自動的に切り替わります。通常は数日〜1週間程度で完了します。
⑤ルーターの設定変更
接続IDやパスワードが変わるため、ルーターの設定を変更します。
⑥利用開始
新しい回線の利用を開始します。以前の契約は自動的に解約されますが、念のため解約状況を確認しましょう。
光電話やオプションサービスについて
既存の光電話番号を引き継ぐ場合は、転用時に光コラボ事業者へ伝えておく必要があります。また、オプションサービスの利用可否も事前に確認しましょう。
光回線再利用とは
現在設置されている光ファイバーケーブルをそのまま利用して、光コラボ系と独自系の間で乗り換えることです。
光ケーブルの撤去工事と新設工事を行わずに済むため、比較的簡単に乗り換えることができます。

2025年から始まった、新しい乗り換え方法です

光回線再利用のメリット
- 撤去工事と新設工事を行わずに済む
既存の回線を再利用するので、基本的には撤去工事と新設工事を行う必要がありません。

ただし、回線設備の老朽化や破損の有無など、状況によっては撤去工事と新設工事を行わなければならない場合もあります
光回線再利用のデメリット
- 光回線再利用に対応しているかどうか、公表していない光コラボ事業者がある
ソフトバンク光・楽天ひかりなどの大手の光コラボ事業者でも、光回線再利用への対応状況が不明の場合があります。
- 再利用とはいえ、工事費用は発生する
撤去工事と新設工事はありませんが、切り替え工事が必要となるため、工事費は発生します。
- 光回線再利用手数料が別途発生する
他の乗り換え方法とは違い、事務手数料や工事費の他にも光回線再利用手数料が発生します。
- 集合住宅には対応していない
集合住宅などに多い、マンションタイプの契約回線には対応していません。利用できるのは戸建タイプやファミリータイプといった、戸建て住宅向けの回線です。

ただし、マンションやアパートなどの集合住宅に住んでいても、個別に戸建て(ファミリー)タイプの光回線を引き込んでいる場合は、再利用可能なケースもあります
光回線再利用が向いているのはこんな人
- auひかりやNURO光を使っていたが、光コラボ系の回線に乗り換えたい人(またはその逆)
(独自系→光コラボ系)
光コラボに乗り換えることで、複数のプロバイダから自分に合ったものを選べるようになります
(光コラボ系→独自系)
独自系に乗り換えることで、通信速度や回線の安定性がアップする可能性があります
- なるべく工事を避けたい人
以前までの独自系と光コラボ系間の乗り替えでは、撤去工事と新設工事の両方が必要でしたが、再利用すれば切り替え工事を行うだけで、その回線設備を再利用できる可能性があります。
光回線再利用の費用
光回線再利用で乗り換える場合の費用は、以下の通りです。
項目 | 内容 |
---|---|
事務手数料 | 3,300円(税込み) |
工事費 | 10,000~20,000円台 |
解約違約金 | 更新月に解約すれば違約金はかかりませんが、それ以外の月に解約すると発生します。 なお、2022年7月1日以降の契約では、違約金は月額料金が上限とされています。 |
工事費残債 | 残債がある場合は一括返済 |
オプション費用 | 有料オプションを引き続き利用する場合はあり |
撤去費用 | なし |
光回線再利用手数料 | 6,000~7,000円台 |
光回線再利用の手順

①光回線再利用の対応可否を確認する
まずは、乗り換え先のプロバイダーが「光回線再利用」に対応しているかどうかを確認します。

ソフトバンク光や楽天ひかりなど、2025年5月時点では対応が不明なプロバイダーもあります
②光回線再利用承諾番号を取得する
現在契約しているプロバイダーに連絡して、光回線再利用承諾番号を取得します。

有効期間は発行日を含めて15日間なので、取得後すぐに手続きを進めましょう
③新しいプロバイダーに申し込む
取得した光回線再利用承諾番号を乗り換え先のプロバイダーに伝え、契約の申し込みを行います。
④切り替え工事の立ち合い
切り替え工事が行われます。この際、立ち合いが必要な場合があります。
⑤ルーターの設定変更
接続IDやパスワードが変わるため、ルーターの設定を変更します。
⑥利用開始
新しい回線の利用を開始します。以前の契約は自動的に解約されますが、念のため解約状況を確認しましょう。
「光回線再利用」は、2025年2月26日から導入された新しい乗り換え方法です。詳細については、2025年5月時点で対応している大手プロバイダーのサイトをご確認ください
新規とは
現在の契約を解約し、新しい回線事業者と契約することです。
開通工事が必要となりますが、特典やキャンペーンは他のやり方よりも充実しています。

新規契約のメリット
- お得なキャンペーンや特典が豊富
新規契約では、キャッシュバック、工事費無料、月額料金の割引など、魅力的なキャンペーンが適用されることが多いです。
- 最新の通信技術を利用できる
10Gbps回線やIPv6など、高速で混雑に強い最新技術に乗り換えることで、利便性が高まります。
- セット割引を利用してコスト低減
スマホやテレビなどのサービスとセットで契約することで、月額料金が割引される場合があります。
新規契約のデメリット
- 利用開始までに時間がかかる
新規契約は、回線の新設工事が必要となります。また既存の回線設備を撤去しなければならないこともあるため、開通までに数週間から1カ月以上かかる場合があります。
- 旧回線の解約手続きが必要
新規契約での乗り換えの場合、旧回線の契約が自動的に解約されることはありません。
- メールアドレスやオプションサービスの利用停止
現在の回線事業者で提供されているメールアドレスやオプションサービスが使えなくなる場合があります。継続利用するには追加料金が必要です。
新規契約が向いているのはこんな人
- 現在、光回線を使っていない人
ADSL回線やケーブルテレビ回線から光回線に乗り換えると、通信速度や安定性がアップします。
- 高額なキャッシュバックや最新プランを狙いたい人
新規契約は、他の乗り換え方法よりもキャッシュバックやキャンペーンが豊富です。
新規契約の費用
新規契約で乗り換える場合の費用は、以下の通りです。
項目 | 内容 |
---|---|
事務手数料 | 3,300円(税込み) |
工事費 | 10,000~40,000円台 |
解約違約金 | 更新月に解約すれば違約金はかかりませんが、それ以外の月に解約すると発生します。 なお、2022年7月1日以降の契約では、違約金は月額料金が上限とされています。 |
工事費残債 | 残債がある場合は一括返済 |
オプション費用 | 有料オプションを引き続き利用する場合はあり |
撤去費用 | 場合によってはあり |
新規乗り換えの工事費と撤去費について
新規で乗り換える場合、通常は工事費がかかりますが、多くの事業者が工事費無料キャンペーンを実施しており、実際には負担が発生しないケースが多いです。
また、撤去費に関しては、これまで使っていた回線設備が不要となるため、撤去しなければならない場合は、その撤去に費用がかかることもあります。
au光では撤去工事が必要な場合がある
auひかりでは、2018年3月1日~2022年6月30日の期間にauひかりホームに申し込んでいた場合、解約にあたって撤去工事が必要となり、撤去工事費が発生します。また、撤去工事の際は立ち会いも求められます。
引用:auひかりより
新規契約の手順

①現在の契約内容を確認する
まずは、現在利用中の回線業者やプロバイダーのサービス内容、さらに契約更新月を確認しましょう。

契約更新月が近い場合、タイミングを合わせれば、解約違約金を支払わずに済むことができます
②回線事業者を選んで契約する
希望する回線事業者を選び、Webサイトや店舗などで申し込みます。
③開設工事の立ち合い
日程を調整後、開設工事を行います。作業の立ち合いが必要です。
④通信機器の設定
Wi-Fiルーターなどの機器を設定します。ONUやモデムなどの設定は工事業者が行います。
⑤現在の回線を解約する
インターネットが使えない期間を無くすため、新規契約したインターネット回線が利用可能となってから現在の回線を解約します。
⑥利用開始
新しい光回線サービスを利用開始します。念のため以前の回線が解約されているか確認しましょう。
まとめ
光回線の乗り換えには、「事業者変更」「転用」「回線再利用」「新規契約」の4つの方法があります。
それぞれ、現在の契約形態や建物の設備によって使えるかどうかが異なります。工事不要で手続きが簡単な方法もあれば、新規工事が必要な場合もあります。
乗り換え前には、自宅の回線状況や契約中の回線種別を確認し、自分に合った方法を選ぶことが大切です。